気になる全国に広がる鹿問題Ⅱ、強風の日
以前(数十年前)から、ずっと気になっていたことについて、
触れてみた昨日の記事の続きになる
気になる全国に広がる鹿問題Ⅰ、雨降る前に - 犬達とアウトドア
数年前、果樹の樹皮を鹿に食べられ、数本がだめになったと聞いた
果樹や樹木は、樹皮を一周食べられると、もう育たない
数十年前頃から犬達と山を歩いていると、鹿が落としていく「ヒル」の被害に遭い、山歩きの出来ない時期があった
ヒルは、人や犬の皮膚に吸い付き、数時間掛けてジワジワと吸血するのだ
調べてみると、各地で鹿の影響が強くなり、植物などにも大きな被害が起きていて、鹿の増加は放置できない状態になっているようなのだ
動植物生態学専門の先生が、全国の鹿被害について調査すると、広い範囲で鹿の影響が認められ、関東、中部、近畿、四国、九州の広い範囲で土砂崩れを伴う重度の影響がある場所が少なくないと判明したそうだ
以前から犬達と山歩きをしている時、山の変化を感じることも多かった
森や林で、樹皮が剥がれている、笹があったのに減少した、食べられている低木が目立つなどを目にしている
日本の山の植生は、1990年頃から鹿の影響で大きく変化したそうだ
生物の増減は生死のバランスで決まるのだが、生まれる数が死ぬ数を上回り、鹿の数が増加したという
鹿は成長が早く、生後1年で成獣の体格になり、1歳の秋には妊娠可能な個体も現れ、2歳でほぼ確実に妊娠する
雌鹿の1歳の秋が重要で、栄養状態の良い鹿は体重40kg後半になり、かなりの個体が妊娠するが、栄養状態が悪いと妊娠出来ない個体が多くなるのだそうだ
野生動物は生まれてから徐々に個体数が減るので、1歳の個体数が一番多く、その年代の妊娠率が高くなると鹿全体の出生数が跳ね上がるという
栄養状態は夏の食物の量と質に関係するそうだ
草食動物の鹿の食物は草原の草類が主体だそうで、森林を伐採すると草類が増え、家畜の為に品種改良された栄養豊富な牧草なども、食物が少ない時期の鹿には有難い食物のようだ
1950〜60年頃に森林伐採が拡大、1970年代に牧場造成が拡大したが、多分これは要因ではなく、ハンターが1970年頃をピークに1990年頃に激減していることが一因かもしれない
だが、問題が複雑で、個別要因の直接的な因果関係は認め難いという
鹿増加の現象は、単純な要因抽出ではなく、日本社会全体の大きな深い問題として総合的に捉える必要があると述べている
山村農村の人口減少に派生する様々な要因が、複合的に作用するのだろう
人口減少で、野生動物の出現しやすい耕作放棄地や牧場に栄養豊富な食物があることが、鹿増加に繋がるが、ハンターの減少で抑制出来なくなっているようなのだ
鹿は、低地で越冬し、夏に高山地へと季節移動するようになり、生育期の短い高山では鹿の影響が強くなったことで、地面の劣化も懸念されるそうだ
鹿の主な死因は狩猟と餓死で、狩猟は過疎化、銃砲の取締り強化などによりハンターが激減し、更に、高齢化しているそうだ
食物の少ない寒さの厳しい冬に、多くの鹿が痩せて餓死するのだが(特に、子ジカは積雪が死亡原因だった)暖冬による積雪減少で死亡率も低下したようだ
狩猟と餓死の減少が、鹿増加の一因なのは疑いの余地がないという
人が都市に集中し山村の過疎が進むと、植物が増え、野生動物増加に繋がる
地方では野生動物が原因による交通事故の増加率が高くなり、自動車事故や列車事故が頻発している
街への野生動物の出没も問題になっており、様々な都市で、熊や鹿、猿などが街に出現しており、今後も頻度が高くなると考えられているそうだ
雪シーズンの山で出会った鹿たち
丸々とした牝鹿が、必死に草を食んでいる
増加した鹿の食害による深刻な「裸地化」が、土砂災害をも引き起こしている
先生は、野生動物増加の一因は、戦後の日本社会が選んだ農業軽視の結果であり、我々は責任を受け止める必要があるが、交通事故や都市への野生動物の出没、裸地化を放置は出来ず、本気で対策に取り組む必要があるという
鹿の増加は日本社会の変化を反映し、戦後の日本政治の選択、農業の軽視と都市化の促進の結果だと綴っている
とても難しい問題だ
ご興味のある方は、高槻 成紀元麻布大学獣医学部教授、東北大学理学博士の『シカ問題を考える』(ヤマケイ新書)をご覧下さい
強風の怪しいお天気の1日
犬達は外に出掛けることは出来たが、かなりの強風だ
強風に逆らわず、ゆっくり静かに過ごす方が良いね
お姉ちゃん犬「お外は好きだけど、強風は疲れるね~⤵」
弟犬「うん、でもお外に出れただけでも嬉しいよね〜🎶」
今日も、のんびり過ごす姉弟犬だ
強風に、ちょっと疲れた犬達でした
明日は晴れるといいねd(*´ェ`*)
お読み頂きまして、ありがとうございます
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